稗・もち米・うるち米の話                    

 稗やこなぎはお米生産者の宿敵です。
稲は間もなく穂が出ます。この時に稗も穂を出ます。稲は収穫までに1か月以上必要です。しかし稗は半月もかけずに、田んぼに種をまき散らします。こうなったら、手遅れです。来年以降大変な苦労をすることになります。稗は人間が田んぼにかかわったときから共に生き続けているそうです。田んぼを止めたら稗も無くなるそうです。それ位稲と稗は強い関係にあるということです。
稲が小さいうちはコナギが大敵でした。コナギの成長は早くて、稲を追い越すからです。稲が大きくなると、出遅れたコナギは日が当らずに成長を妨げられます。こうなると稲の大敵では無くなります。
株周りを見ると浮草が一杯。コナギやその他の草もありますが、稲は日光を十分浴びれる程成長しています。そしてまもなく穂が出ます。
どれも稗ですが、経験者でないと、左の稗は稲と見分けがつきません。根を見ても分かるように、稗はこのように茎が増え、根も強力になり、ここまで育つと抜くのに苦労します。右側の稗は容易に抜くことが出来ました。茎が赤いので、容易に稗とわかります。しかし、右側の状態になってから抜くのは、遅いそうです。経験者いわく、「左側の状態以前に抜かないと除草に苦労する。」
上の写真の穂先部分を撮ったものです。左のはまだ穂がありませんが、右のは穂が出ているので見分けは容易です。しかしこの穂には沢山の実があり、すぐに取り除かないと種となって土に埋もれてしまいます。ベテランの方は左側の状態で、稗を見分けて抜き取ります。右側の状態にしてはダメだそうです。田んぼにこんな稗があったら管理が悪い状態だそうです。ちなみに一度土に撒かれた稗の種は十年たっても田んぼに生えてくるそうです。履歴の分からない土を持ってきて盛り土をするのがどれほどリスクの大きい事か、とても勉強になりました。
 もち米とうるち米は同席を許されません。
もち米は穂先が赤く、「赤ひげ」が特徴です。穂を見ればうるち米との区別は容易に出来ますが、出穂前では区別を付けるのは難しいのです。
うるち米は赤ひげでなく「白ひげ」が特徴です。赤味が無いので、もち米と容易に区別出来ます。
うるち米ともち米の区別は成長の早さに見ることが出来ます。左は出穂して、穂が垂れています。これがうるち米です。右側はまだ出穂していません。それと丈も短いのです。これがもち米です。もち米の中に丈が長くて、出穂しているのを見つけたら、うるち米かもしれません。そしてもう一つ、うるち米の中に丈が長く目立つものがあれば、稗かもしれません。稗はうるち米よりも成長が早いのです。
穂の丈が少し不揃いに見えます。もち米にうるち米が混じり、かつ稗が混じっているので、うるち米と稗を両方刈り取っている所です。
稗が開花してしまいました。(他人の田んぼの話)こうなると、種は既にまかれたと見なせます。来年この田んぼには沢山の稗が出てくるのは間違いなし。遠目にみても、お米の稲穂に見えてしまいそうですが、ベテランは決して見逃しません。人さまの田んぼの事なので、見過ごすしかしかたありませんでした。